家族信託セミナー
税理士の長男の高橋寿克です。
この1年間でずいぶん、
「家族信託」
のセミナーをしました。
家族信託 ってご存知ですか?
知らない方の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
「知ってる」方は勉強熱心ですね。
私も2年くらい前に初めて知りました。最初はびっくりしました。
「信託」というと信託銀行や投資信託を思い浮かべる方も多いと思いますが、
それとはまったく関係ない、
新しい制度で、「民事信託」とも呼ばれています。
先日も、弁護士さんや司法書士さん、税理士など士業の勉強会で、発表させていただきましたが、どなたも家族信託をご存じありませんでした。
すごい役に立つ、お得な制度です。
家族が受託者になるのが特徴で、コストはあまりかかりません。
(銀行・信託会社の「遺言信託」は数百万円とすごく高いですよね)
(1)元気なうちから本人に代わり財産の管理・処分を託す(委任契約の代用)
(2)本人の判断能力低下後の財産の管理・処分を託す(後見制度の代用)
(3)本人死亡後の資産の承継先を自由に指定できる(遺言の代用)
この3つの機能を1つの「信託契約」で実現することが可能です。
委任契約 と 成年後見制度 と 遺言 と同様の機能を果たすのです。
さらに…
(4)相続人が死んだあとまで指定でくきる
通常の民法では無効とされていた2次相続以降の財産の承継先を事実上指定できます。
<家族信託なら>
①生前の財産管理の手段として、元気なうちから資産の管理・運用・処分等を任せる
②本人が判断能力を喪失しても、引続き績極的な資産運用
(不動産の売却・買換・借入れを活用したアパート建設等)
が可能になります。
また、認知症対策にもなります。
このため、ハウスメーカーさんからのセミナー依頼も多いです。
(話せる、事案を持っている税理士・司法書士が少ないのが実情です)
2次相続以降の資産承継者の指定が可能になります。数世代にわたって、被相続人の意図でコントロールできます。
例1)長子承継が難しい地主の場合
①長男には②嫁がいるが、孫はいない。二男には子供(委託者によっては③「孫」)がいる。
①長男 → ②嫁 → ③孫 にしたいケース。
通常は、嫁の相続人に財産が行ってしまう。
養子縁組も考えられるが嫁をコントロールできなません
例2)後妻の死後は、前妻の子に財産をあげたい場合
後妻との間には子供がいないが、前妻との間に子供がいる
後妻 → 子供 にしたいケース。
通常は、後妻の相続人に財産が行ってしまいます。
養子縁組も考えられるが後妻をコントロールできません。
こういう場合にも家族信託は対応可能です。
不動産の共有問題・将来の共有相続への紛争予防に活用できます。
(1)共有不動産は共有者全員が協力しないと処分できない
(2)将来、不動産を共同相続してしまうと同様の問題が生じる
<遺産受取方法の多様化>
一度に多額な遺産を受け取るとすぐに浪費してしまうのが心配な場合、
家族信託なら
浪費家対策・未成年者の生活費対策として、毎月の定額給付や始期付給付など柔軟かつ多様な受取方法の指定が可能です。
自由でしょう!
その他、自由に設定できるので使い方を工夫すれば、メリットはたくさんあります。
でも、「自由」は濫用の「リスク」を伴います。
(濫用防止策もあります)
そもそも、これを使いこなせる税理士・弁護士・司法書士が圧倒的に少ないです。
新しい制度です。実際にご利用の際は、私たちのような専門家を活用することをお勧めします。
よく効くお薬みたいなものです。効きすぎると毒物にもなります。
用法・用量には注意してくださいね。